松山城の下方に見える石垣と多聞櫓(たもんやぐら)。

その内側は、当時の間取りを元に二之丸史跡庭園として整備・公開されています。
春には花の、秋には紅葉のイベントなどが行われるので、タイミングを合わせて見学するのがベストだと思います。
前回の松山城本丸に続き、今回は花のイベントに合わせて二之丸跡地へ出かけたお話です。
三之丸のお話はこちら
二之丸史跡庭園とは
松山城の二之丸跡地は史跡庭園として平成4年に開園しました。
元々は、藩主や家族の邸宅や藩の役所として使われていたそうです。
櫓や門などは、火災等で焼失し復元されたものではありますが、石で形作られた大井戸は当時のものを見ることができます。

庭園内は、
- 柑橘系の木が植えられた「柑橘・草花園」
- 水と砂利と芝生を使った「流水園」
の二つのコンセプトで当時の間取りが表現されています。
それ以外には、「わび」・「さび」を表す一角や貸し施設としての茶室や座敷、綺麗な音色の水琴窟もありました。
春のイベント
少し前の話になりますが、GW中に開催されたイベント「恋する庭園2024」に出かけてきました。
このイベントの開催場所は、松山城の二之丸史跡庭園。
二之丸史跡庭園が花で装飾されるという、花好きの興味をそそるものでありました。

イベントは、2022年の開園30周年記念から始まっているようで、2023年もGW期間に開催されていました。
タイトルに2024とついているところからしても、来年の開催も期待できますので、GWのお出かけ場所の候補の一つにいかがでしょう。
GW期間中は、三之丸跡地の公園でもキッチンカーが出るイベントなどが開催されると思われるので、合わせて楽しめることでしょう。
庭園内
さて、花で飾られた園内の様子です。
入り口から水と砂利と芝生のエリアへ
門をくぐったところから、綺麗な花がお出迎え。

石という無機物に対するにはやや小ぶりと思われるガラスボウルですが、使われている生花は大輪で色鮮やか。
階段を上がった所にチケット売り場があります。
入園料(大人1名200円 2024年7月 イベント自体は無料です)の支払いを済ませ多聞櫓へ。その内部は展示室となっており、二之丸庭園全景の模型などを見ることができます。

水と砂利と芝生のエリア
水と砂利そして芝生を使ったエリアには、水が入ったマスに色とりどりの花が浮かべられていました。

仕切られた部分は間取りが表現されており、花のタイトルは「花手水」。

柑橘のエリア
柑橘系の木が植えられているエリアに入ると、色々な種類の柑橘系の木が、当時の部屋の名称と共に各区画に植えられていました。

春はちょうど花の咲く季節。実がなっている姿は見れなかったものの、小さな花々を見ることができました。


フラワーアレンジの展示はここがメインの場所でしょうか。
大井戸(写真右側の階段)のそばに設置されているフェンスに装飾が施され、フラワーベンチも設置されていました。

映え。

水琴窟
柑橘エリアの中に、水琴窟が設置されていました!

初めて音を聞きました。
ししおどしのようにも見えますが、そこに不自然にのびた竹つづ。この先に耳を当て水音を聞きます。
地下に瓶が埋められており、滴り落ちる水滴が奏でる音を楽しむというものでした。
上記以外も
これらの他に、「わび」・「さび」を表現するエリアには滝が流れていたり、趣のある建物が立っていたり。また、私が出かけたタイミングで楽器の演奏もあり、椅子に腰掛けたり門の日陰にたたずむ観客も目にしました。




園全体の印象としては、派手さはありませんが静かで凛とした空気を感じる場所でありました。
秋のイベント
次は、秋の紅葉に合わせて開催される「光の庭園」イベント。
園内に植えられている、紅葉も色づく頃。
柑橘類の実りの時期でもあるので、訪れるには良い季節ではと思います。
ここまで特に触れずにいましたが、今回の花のイベントのタイトル、「恋する庭園」の出どころ・・・

実は、二之丸史跡庭園は「恋人の聖地」として正式に認められている場所なのです。
大井戸発掘時に、ロシア人捕虜の男性と日本人看護師の金貨が発見されたことに由来するそう。
景観の美しさも、結婚式の前撮りの場所として人気があるようです。
*恋人の聖地モニュメントは水と砂利のエリアへ入ってすぐですよ。
二之丸へは、愛媛県庁裏から徒歩5分ほどで到着します。アクセスは比較的容易ですし、石垣と櫓を眺めるだけでも雰囲気を楽しめます。

