「お遍路」と聞けば、修行が目的の過酷なイメージですが、興味がある人も多いと思います。
そんな「お遍路」を1日で成し遂げる(?)ことが可能な場所があるのをご存知ですか?
その場所は松山にある石手寺。
回る方法は「お砂撫で」。
石手寺は、「お砂撫で」の他にも貴重なものから不思議なものまで、見どころ突っ込みどころ(?)満載のお寺なので、松山に訪れたら訪ねて欲しい場所の一つです。
四国八十八ヶ所霊場 第51番 石手寺
石手寺とは
石手寺は、道後温泉から程近い場所にある、真言宗のお寺です。
四国八十八ヶ所霊場の第51番の札所でもあります。
石手寺には、国宝や重要文化財が多数あり、お遍路さんだけでなく観光客も訪れるお寺であります。
心身の癒しをもたらすと信じられている薬師如来が本尊で、鬼子母神も祀られていることから、子宝・安産の祈願の人も多く訪れる場所のようです。
石手寺の名前の由来
石手寺のサイトに、その名前の由来も書かれていました。
弘法大師の跡を追ってお遍路を始めたとされている、衛門三郎(えもんさぶろう)の生まれ変わりの男の子が、この地で誕生した伝説です。
生まれた男の子は右手を握ったまま開かないので、この寺で祈祷してもらったところ、衛門三郎と書かれた石を握っていた・・
そこで、お寺の名前を石手寺と改めたと言うエピソードです。
(衛門三郎がなぜお遍路をすることになったかについても、石手寺のサイトに書かれています)
石手寺へどうして行こうと思ったのか
私がここを訪ねようと思った理由は、松山市中心部から最も近い八十八ヵ所霊場の札所であること。
四国に来たからにはお遍路に関することを体験したいと考えていました。
調べてみると八十八ヶ所全てを廻るのはそう簡単にはいかなさそうだと言うこと。それならば、自分が行けそうなところをまずは訪れてみようと思ったのです。
アクセス
道後温泉から近い場所にあります。
徒歩なら15分ちょっと、バスに乗れば4駅のところになります。
松山市駅から、バスを使って30分あれば行くことが出来ます。
また、バス停のある国道沿いに駐車場もあります。
まずは入り口
バス停を降りると石手寺ですが、とにかく情報が多いです。
弘法大師お道開きの橋
弘法大師が渡ったと言う「橋」があり、その別名は「渡らずの橋」。渡ると足が腐ると言われているため、人が通れないようにお地蔵様などが置かれています。(渡ろうと思ってもどこから渡ればいいのかわからない位置どりなのですが・・)
衛門三郎の石像
弘法大師に許しを乞う姿(?)の衛門三郎の石像が置かれています。
像といえば、一般的には自分の目線より高い位置にあったりするものなので、下目線に設置されている石像に違和感を感じます。
手水鉢と手水舎
渡らずの橋の前には手水鉢がありますが、その隣に手水舎らしきものが。
いや、鉢の上に無いと言うことは、手水舎じゃないのかもしれません。
不動石
参道に向かって右手、大木の根元にある石は、不動明王の姿が浮かび上がると言われている不動石です。
手水舎を回り込まないと近寄れないので、遠目に見ました。
とにかく色々な物が集まっている場所でした。
参道に入る前から戸惑いますが、衛門三郎さんの脇を通り抜けて参道方面に進みました。
参道と重要文化財が数々ある寺院内
参道
参道には仲見世が並んでいます。
平日昼間はオープンしているお店は少なく、ちょっと寂しいです。
参道入り口には、「やきもち」を売る五十一番食堂があります。
こちらのやきもち、手のひらにすっぽり入るサイズで中にあんこが入ったお餅です。
外側の焼けたところも香ばしくて食べやすくて美味しいやきもちです。帰りがけにでも。
五十一番食堂の向かいにあるお土産物屋さんでは、昔ながらの砥部焼が置かれていました。
寺院内の建物
参道の先にあるのが、国宝の仁王門。
中に収まる、金剛力士像は1240年に運慶派の仏師によって彫られたのも。
門の内側にかけられているのは大わらじ。わらじに触れた手で自分の足腰の悪いところを触ると良くなるのだとか。
重要文化財の三重塔と本堂。
本堂の階段に置かれた金色のオブジェは何なのか、わからないままです。
三重塔は2024年9月の時点ですが、修復工事中で足場が組まれていました。
どちらも重要文化財に指定されています。
右の護摩堂に、正面の大師堂。
大師堂は弘法大師を祀っています。別名、落書き堂。
かつて夏目漱石や正岡子規の落書きがあったとか。
子宝や安産を願う詞梨帝母天堂(かりていもてんどう)や鐘楼も重要文化財に指定された建物です。
寺院内の建物についてさらっと書いたのですが、これら以外にも洞窟やら石仏やらパゴダなどがあり、石手寺の名の由来となった石が飾られている宝物館もあります。
とにかく、入り口だけでなく、寺院内も盛り沢山な場所です。
そんな中で、私が興味をそそられたのが、三重塔の縁側に並べられた、白い袋の列なのでした。
八十八ヶ所霊場めぐりの功徳を積む「お砂撫で」
三重塔に並んでいる白い何か。
近づいてみると、そこに書かれていたのは「お砂撫で」の文字。
もちろん、初めて聞く言葉です。
どうやら、四国八十八ヶ所霊場の砂が、ここ石手寺に集められており、そのお砂に触れることで四国巡礼をしたのと同等の功徳を得られるらしいのです。
もちろん、ありがたく撫でさせてもらいました!!
こちらには、高野山のお砂も置かれています。
よくここを訪れていると思われる地元の方は、両手で包み込むようにして砂を撫でていました。
(2024年9月、三重塔の修復工事に伴い、お砂撫では阿弥陀堂の縁側に置かれていました)
お遍路に興味がある方に石手寺はお勧め
実は、石手寺にはもう一つお遍路を体験する方法がありました。
「お山四国八十八箇所」です。
石手寺の裏山に置かれた一番から八十八番まで番号が降られた石仏をお参りするもので、お山四国登り口からスタートします。
別格の20霊場の石仏も置かれているらしく、全てを参ると100以上となり、その工程は簡単ではないと思われるので、こちらをお参りしようと考えているならば、歩きやすい靴や水分など登山の準備をしてからお出かけください。
お遍路に興味がありつつも色々な都合で断念している方、松山の石手寺へ行くのはいかがでしょう。
松山へ来るまで、このような取り組みがあることは知らずにいましたが、「お砂撫で」体験ができたことは、何か良いことがありそうで嬉しかったです。
石手寺は道後温泉から近い場所にあるので、お遍路に興味がなくとも道後温泉と合わせて旅のルートに入てみるのもちょっと変わった体験ができそうです。
一つ注意するとすれば、石手寺は見どころ満載なので時間配分でしょうか。
見逃せないもう一つはマントラ洞窟
実は、まだ紹介していない場所がありまして。
その名は、「マントラ洞窟」。
次の投稿は、夫を駆り出し2度目に行った石手寺で、念願の「マントラ洞窟」に入った話にする予定です。
(1度目に訪ねた時には、あまりの恐ろしさに一人で入れなかったのです・・)
↓「マントラ洞窟」のお話
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