一体全体、誰が裸になるのか!?
松山で毎年夏に行われる、「松山野球拳おどり」。
松山で半世紀以上続く、野球拳の歌を使っておどるお祭りでした。
知らない人にはインパクト大
街中にポスターが張り出されていたんです。
「第59回 松山野球拳おどり」って。
これは、一体全体何なのか?
お祭りのように見えるものの、野球拳といえばジャンケンで負けた方が一枚ずつ服を脱ぐ・・・・
このお祭り自体初耳ではありましたが、60年近い歴史を持つ催しのようです。
このポスターだけでは松山初心者の私には情報不足。早速、調べましたー。
松山野球拳おどりとは
調べてみると、モヤモヤっとしていたことがクリアになってきました。
野球拳の成り立ち
大正13年、伊予鉄道の野球チームは実業団野球大会でボロ負け。夜の懇親会の隠し芸でも敗戦が濃厚な中、野球部のマネージャーだった前田伍健氏が即興で作詞・作曲をし、選手全員がユニーフォーム姿で踊ったところ大いに受けた。
これが、野球拳ができた始まりだそうで。
家元制度もあり現在は4代目。
洋服は脱がない?
野球拳の罰ゲームで服を脱ぐというのは、テレビなどのバラエティ番組から広まったもの。
コント55号、欽ちゃんの番組から。
2005年には、欽ちゃんが松山まつりに招かれました。その際に、4代目に「間違った解釈を広めて申し訳ない」と謝罪したのだとか。
正しい野球拳は洋服を脱ぐバツゲームでは無く、皆を楽しませる宴会芸でした。
まつり
松山で開催されるこのお祭りは、コロナ前までは「松山まつり」として開催されていましたが、2022年から「松山野球拳おどり」の名になったそうです。
四国で踊りといえば、徳島の「阿波おどり」、高知の「よさこい鳴子おどり」は昔から有名ですが、香川にも「高松おどり」がありました。
そこで松山で誕生したのが「松山おどり」。
おどりを披露する「松山まつり」では、愛媛が発祥である野球拳を取り入れた踊り(松山おどり)を踊るようになり、その後もおどりは進化し、「野球拳サンバ」と言う新しい踊りも登場。
コロナ後は、デジタルコンテンツ「Baseball-Dance」が生まれ、ダンスバージョンの野球拳も完成しました。
「Baseball-Dance ~Branded Movie~ (Dance ver.)」
映像の背景は松山城や道後温泉です。
2024年のまつりの様子
前置きが長かったですが、ここからは、実際のお祭りの様子です。
企業内で構成された「企業連」(団体)、任意のチームは「団体蓮」として、それぞれ野球拳おどりを披露します。
日程と参加者
2024年は8月9日(金)から11日(日)の夕方から夜(だいたい17:00〜21:00 日によります)にかけて行われました。
初日は企業連、二日目は団体蓮のおどりとなります。
企業連は読んでの通り、企業毎に結成されたチームです。お揃いの衣装やチーム人数の多さなど、おどりは一体感を感じるものでした。
団体連はダンスやバトン、チアリーディングチームなどが参加しており、各チームの特色を出しつつ野球拳の振りを入れています。ダンスの幅が広くて興味深かったです。
また、子供の参加も多く保護者の大移動(?)などもあり、雰囲気はとてもアットホーム。
会場は大街道・千舟町・堀之内の3ヶ所
各連は、大街道をスタートして、千舟町通りを通過、城山公園堀之内へ移動します。
大街道で1回、千舟町通りで2回、堀之内で1回と合計4回、パフォーマンスを行います。
最後の会場、堀之内はステージが設けられ、大型スクリーンも設置されています。
堀之内は、椅子も準備されているので、しっかり見たい場合は、こちらの会場が良いかもしれません。
個人的におすすめの見学場所
全ての会場でおどりを見ましたが、千舟町通りが見学しやすかったです。
車両通行止めとなる道路は、道路の両脇から見学が可能で人が分散されます。
それでいて、演者との距離が近く表情など細かいところまでよくわかります。
パフォーマンスは、大街道に向かって右側の歩道を正面にして行われます。
これらのことから、見学におすすめの場所は、
かなと思います。
敷物を持参すれば、道路に座りつつ後の人の邪魔にもなりません。日が暮れる前の時間は日が当たるので、日焼け止めは塗っておきましょう!
大街道も司会者の盛り上げなどもあり華やかですが、全体的にスペースが狭く見学しづらかった。
おどりのクオリティーですが、最後におどる連は過去2年連続で優勝した招待チーム(企業連・団体連共に)なので、お見逃しなく。音楽、ダンサーの人数、統一感など迫力がありました。
気の済むところまで見た後は、堀之内会場へ向かいます。
ステージ上のおどりを見れますし、屋台もたくさん出ているので楽しむことができます。
松山野球拳おどりで歌われる、一番の歌詞を載せます(最後のところは知りませんでした)。
野球するなら こういう具合にしやしゃんせ
投げたら こう打って打ったら こう受けて
ランナーになったらエッサッサー
アウト セーフ ヨヨイノヨイ
じゃんけんポン あいこでホイ
ヘボのけ ヘボのけ おかわりこい
(作詞・作曲 前田伍健)
知らなかったのは、最後の「ヘボのけ〜」。伊予弁で「下手なやつはどけ、代わりが来い」と言う意味だそうです。
まつりの名称に「野球拳」が入ってから日は浅いですが、記憶に残るネーミングで、四国のおどりの一つとして全国的に認知されていくと嬉しいです。
愛媛県公式チャンネルに、本家野球拳のおどりがありました。こちらも、どうぞ。(これぞ宴会芸💦)